ワインがわからない・・・
実店舗のお客様とのお話で、よく耳にする言葉のひとつに『私はワインのことはよくわからない・・・』というフレーズがあります。どうして、ワインに限って『わかる』ことが必要で、『わからない』ことが恥ずかしいと思ってしまうのでしょう?
他の酒類、野菜、果物、料理・・・等々について、いちいち産地や栽培法、製法、生産者とか確認しないと味を納得しない人なんて、滅多にいません。
普段の食事のとき、口の中に広がる味わいを、好きか嫌いか、美味しいか美味しくないか、はたまたどうでもよいか、等々自分なりに感じ、あまりそれ以上のことを求めたりはしないと思うのですが・・・
どうして、ワインだけ特別なんでしょう???
でも、『ワインて難しい、よくわからない』と思わせてしまう理由も確かにあります。
そのひとつに、ワインは瓶詰してからも熟成を続け、味が常に変化し続け、厳密には同じ味わいに二度と巡り合えないと言っても過言ではないことが挙げられます。
また、品種、産地、醸造法、保存状態、etc...によって飲み頃になるまでに必要な年月の長さも様々ですし、一概にこのタイプはこうだ!と言い切れないファジーな部分が多いこともそうですね。
だから、『わかろう』なんて思わなくていいんです。感じてください。
そして、好みの美味しいワインに巡り合えたら幸せ!それでよいとは思いませんか?
少なくとも、保存状態が良く、ワイナリーで味わうのと同じクリーンな酒質のワインであれば、どんなタイプのものでも極端に美味しくないとか、頭が痛くなるなんてことはあり得ません。
酸化防止剤の使用も、度を超した大量使用でない限り問題にはなりません。何故なら、通常の食用干し葡萄には相当な量の酸化防止剤が含まれていますが、干し葡萄を食べて頭が痛くなったりしますか?
のど越しがクリアで、身体にきれいに染み渡る美しい酒質かどうか、その判断ができるようになっていただければ、『わからなくても』良いのです。
但しそのためには、信頼できるショップを見極め、しっかりと温度管理されたワインを飲んで健全な酒質というものを実感する必要があります。
大変残念ながら、どんなクオリティのワインでも、しっかりと適切な温度管理のもとに販売しているショップは、本当に少なく限られているのが現状です。
私の願いは、日本中のどのショップでも、安心できる美しく健全な酒質のワインが購入できるようになることです。
そのためにグルトンベールが出来ることを、精一杯根気強く続けていきたいと思っています。
2020-06-25 16:02